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……?
寝起きのような錯覚に陥る。
気がつけば見たこともない天井を見つめていた。
すぐに何があったのかを思い出す。
視線を回し状況を確認する。
……オフィス?
あるのはデスクに本棚。高そうな絵画にローテーブル。あとはとても大きな窓。
俺はソファーに座らされているようだ。
手足は縛られてはいない。
首を捻ると背後に人が立っていた。
「っ!?」
気配がしないことに驚いた。未だにボーッとする頭のせいだろうか。
顔を見上げると額から頬にかけて大きな傷痕。
……あの男だ。
「目が覚めたようだな」
「……ここはどこだ?」
まだはっきりしない頭を押さえながら尋ねる。
窓の外に見える景色から、どこかのビルのオフィスであろうことはわかる。
「まぁ待て。いろいろ聞きたいことがあるんだろうが、それは‘ボス’に聞いてくれ。
今来るからな」
すぐにオフィスの扉が開く。自動ドアになっているようで、そこから現われたのは20代後半くらいであろう、黒いスーツに身を包んだ女性。
コツコツとヒールが床を叩く音と共に近づいてくる。俺のすぐ横までくると、とても綺麗な声を発した。
「ようこそ、TWCIOへ!」
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