気がつけば……

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異常を確認し終えると、肩で息をする体をすぐに起き上がらせ窓の外を見る。 「この建物の出入り口を閉鎖しろ!正面に三名、裏口に二名だ!上空の警戒もしっかりしておけっ!」 リーダーと思われる人物がそう指示を出すと窓から見える人影がなくなる。さすがにここからは上ってこれないだろう。 ……っていうか上空って、ヘリまで用意してるのかよ? 俺、本当に何したんだ? と、考えつつも窓に足を掛ける。 いくらなんでも逃げ込んだところから戻るなんて、余程のことがない限り考える人間は少ないはずだ。 腕に力を込めると体が持ち上がる。 「……なかなかやるようだ。私の部隊を撒いてくれるとは」 不意に響く声に体がびくっとなる。声のするほうに振り向いた。 そこに立っているのは黒に縦ストライプの入った高級そうなスーツを着た男。 照明がほとんどないこの建物の中では顔がよく見えない。 ……いつからそこにいたんだ? あまりにも突然のことに俺は激しく驚いているものの、それを表情に出すことはない。 「…ふむ、この状況に驚いているものの、ポーカーフェイスを貫くか。更に今の現状を冷静に判断しようとしているようだな」 俺の顔は窓から差し込む月明かりに照らされ、スーツの男からはしっかりと見えているようだ。 動いた様子はない。しかも俺はしっかり気配は探ったはず。この男が気配を消していたということか……
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