気がつけば……

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簡単には家に帰してくれないようだ。小さくため息をつくと、荒い呼吸を無理やり整えるように深い呼吸を繰り返しながら4人を観察する。 手前に2人、奥に2人。 フォーメーションをとりながらゆっくりと確実に近づいてきている。 かなり訓練されているようで、摺り足で移動しスキがない。 さっき俺を追ってきていた奴らとは別なのか…… しつこいやつらだ。絶対にモテねぇだろ? なんてことを考えている間に距離を詰めてきている。4人は何も手には持っていないが、かなりの威圧感を放っている。 ……さて、冗談はさておき、どうするかな…… 1度大きく息を吸い込むと、一気に間合いを詰める。 スキがないなら作ればいい! だが思っていたよりも優秀なようで、慌てることもなく4人は展開し一瞬で囲まれてしまった。 そのまま足を止めることなく踏み込み1人の男との間合いを詰める。 さすがにそれには驚いたようだが、それも一瞬のこと。男はすぐに俺の顔面に向けてパンチを放つ。 ただこういう場面での一瞬は命取りだ。 飛んでくるパンチを軽くいなすのと同時に左から掌底を叩きつける。 狙うのは下顎部だ。ここを叩くと頭蓋内で脳が激しく揺れ意識が保てなくなる。 見事に捉えた掌底を振りぬくと男の意識を刈り取る。すぐに残りの3人は距離を詰めてくるが、意識をなくした男と位置を素早く入れ替えると、迫ってくる2人のほうへ力を失った体を豪快に押し飛ばす。
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