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別に潰されても良かった。
俺はもともと執着深くもなく、あくまでこれは退屈な人生でのゲームだったのだ。
壊れればまた新しく作ればいい。
限度は違えど、その思考はまさしくガキのそれだった。
年齢で言えば、まだ高校に通っているガキと変わらねぇ年だったろうか。
俺はあの日、十歳くらいの少女と会った。
少女は何処かで転けたのだろう。
大きな瞳からは惜しげもなく涙をながし、膝の滑らかな皮膚には痛々しい傷があった。
子供に興味はなかったし、助けてやる義理もない。
・・・ただ、ほんの気まぐれだった。
少女は嬉しそうにみう、と名乗り、屈託のない綺麗な笑顔を見せた。
思えばここでそのまま放っておけば良かったのかもしれない。
そのあと、俺はその少女と定期的に会うようになった。
少女・・・みうと会う度に、
ただの顔見知りから、知り合いへ。
知り合いから少し愛着を持って。
そのうちに妹が出来たような気持ちになった。
・・・どこから間違えてしまったのだろう。
いつからこの狂気にも似た気持ちが芽生えたのだろう。
いつの間にか、みうが俺の全てになっていた。
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