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「別の現象って…?」
洋一はまた不思議そうな顔をしていた
「それは『狐の嫁入り』じゃよ
これは天気雨になったからといって
誰でも見れて、どこでもやるものでもない
これは、ある一定の条件を満たさないと起こりえない」
「条件って?」
「その条件は2つじゃ…」
「2つ?」
「一つは、普通の者より
霊力がある者…
まぁ言うなれば
洋一、お前のように見れない者が見れる者の事を言う」
「う、うん」
洋一は顔を強ばらせながら返事をした
「もう一つは…
これは一番大事なことじやぞ…」
ヨネは今での会話で中で
一番真剣な顔をした
「天気雨の時には言ってはいけない言葉があるのじゃよ……
それは『狐の嫁入り』
これを決して言ってはいけない
こう言う言葉を祝詞【ノリト】と言って
普通のなんの力もない者が言うても大して効力はないのじゃが
お前のように
特異体質、特別な力がある者が言うと
それは祝詞となり
色々と面倒な事が起きるのじゃ」
ヨネは言い終わると
脇にあったお茶を啜った
洋一はまだ顔を強ばらせていた
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