1 少女

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5、6時間目の授業も終わり、無事学校が終わる。 「今日は習い事があるから」と高菜は言っていたので、一緒に帰るという事にはならなかったのがすごく残念だった。 いつもは高菜を家まで送っていくので、遠回りをしていたが、今日はまっすぐ帰る事になった。 電車から降りると、とりあえずバス停に向かった。 途中でうさん臭い占い師を見つけた。 1回3万円とは高すぎる。 それで商売出来ているのかと疑問に思った。 できるだけ普通に、気づいていないフリをして通り過ぎようとした。 「待て」と低い声で言ったが、女性である事がわかった。 「あの、3万円とか無理ですよ」 「わかっている。金はいらない。少し時間をくれれば良い」 それでは商売にならないじゃないかと思ったが、タダなら少し寄る価値はあると考え、承諾した。 「一つだけだ。一つだけ守って欲しい事がある」 「えっ…」 席に着いてすぐの事だったので驚いた。 「この先にある路地はまっすぐ行きなさい。絶対に入って行こうとなんてしないで。わかった?」 「はぁ…」 期待はずれだった。 もっと面白いものを想像していた。
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