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5、6時間目の授業も終わり、無事学校が終わる。
「今日は習い事があるから」と高菜は言っていたので、一緒に帰るという事にはならなかったのがすごく残念だった。
いつもは高菜を家まで送っていくので、遠回りをしていたが、今日はまっすぐ帰る事になった。
電車から降りると、とりあえずバス停に向かった。
途中でうさん臭い占い師を見つけた。
1回3万円とは高すぎる。
それで商売出来ているのかと疑問に思った。
できるだけ普通に、気づいていないフリをして通り過ぎようとした。
「待て」と低い声で言ったが、女性である事がわかった。
「あの、3万円とか無理ですよ」
「わかっている。金はいらない。少し時間をくれれば良い」
それでは商売にならないじゃないかと思ったが、タダなら少し寄る価値はあると考え、承諾した。
「一つだけだ。一つだけ守って欲しい事がある」
「えっ…」
席に着いてすぐの事だったので驚いた。
「この先にある路地はまっすぐ行きなさい。絶対に入って行こうとなんてしないで。わかった?」
「はぁ…」
期待はずれだった。
もっと面白いものを想像していた。
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