天邪鬼な僕ら

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まったく動く気がない彼に小さく溜息を吐く どうやら私が折れるしかないらしい 本音を言えば こうやってくっついたりしてるのは別に嫌じゃないし どちらかと言えばとても嬉しいのだけれど(恋人同士っぽくて)(いや本当に恋人だけど) 恥ずかしいのだ 好きな人と2人っきりで部屋にいるってだけで緊張するのに こんなにぴったりとくっつかれてしまっては意識せずにはいられないのだ(乙女!) さっきから心臓がばくばくと音をたてているのがわかり 相手に聞えてしまうのではないかと気が気ではない なるべく意識しないようにと無言で参考書と睨みあうが 余計に自分や相手の鼓動が聞えるだけで文字が頭へと入ってこない(テスト明後日からなのに) (って…あれ?) そこでふと気づく 私と瑛くんの心臓の音がとくりとくりと同じ速さで動いていることに (もしかして) 気づいた途端少しおかしくなって声を出さないようにして笑った 本当に天邪鬼なんだから(私も人のこと言えないけれど) 私はまったく頭に入らない参考書を閉じ机へと置き伸びをするように体重を後ろへと持っていく(その時ぴくりと彼が動くのがわかった) そして瑛くんに悪戯心が篭った様な声で呼びかける 「瑛くん」 「…なに?」 「好きだよ」 ぱさりと彼の手から参考書が落ちる音がすると共に 先程より背中越しに感じる温度があがったことがわかった (勿論彼の顔が真っ赤だったのは言うまでもない)
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