‡第一幕‡《開幕》

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寮を出ると澄んだ空気に風が心地よく吹いてきた。 空を見上げると空は紅かった。 俺がまだ幼い頃は青い空だったんだが………… 6年前から紅く染まり始め、去年には紅くなっていた。 人々は不吉な印と言い、生き残る術(スベ)を探している。 探しても無駄なんだがな。 『Demise』を消さない限り……… っとこんなことを考えてる間に学園に着いた。 学園は中世の城と言える形、大きさを誇っている。 だが、まだその中は静かで寒さを感じさせた。 「だりぃな…………」 「何がダルいんだ?劫。」 と後ろから呼ばれ、俺は振り返った。 そこには金髪の爽やかそうな男が立っていた。 その男は俺と同じ特待生を示す黒いローブを羽織っていた。 「シンか。ダルいって全てだよ。 勉強も魔術も……な。」 俺は苦笑いを浮かべ、教室に向かう。 シンは俺の横を歩いている。 「まぁお前からすればそうだろうな。 勉強も4年の分野まで完璧に理解し、2年の進級試験では上級魔法を放った天才だもんな。」 シンはニヤニヤと笑いながら俺を見てきた。
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