26人が本棚に入れています
本棚に追加
寮を出ると澄んだ空気に風が心地よく吹いてきた。
空を見上げると空は紅かった。
俺がまだ幼い頃は青い空だったんだが…………
6年前から紅く染まり始め、去年には紅くなっていた。
人々は不吉な印と言い、生き残る術(スベ)を探している。
探しても無駄なんだがな。
『Demise』を消さない限り………
っとこんなことを考えてる間に学園に着いた。
学園は中世の城と言える形、大きさを誇っている。
だが、まだその中は静かで寒さを感じさせた。
「だりぃな…………」
「何がダルいんだ?劫。」
と後ろから呼ばれ、俺は振り返った。
そこには金髪の爽やかそうな男が立っていた。
その男は俺と同じ特待生を示す黒いローブを羽織っていた。
「シンか。ダルいって全てだよ。
勉強も魔術も……な。」
俺は苦笑いを浮かべ、教室に向かう。
シンは俺の横を歩いている。
「まぁお前からすればそうだろうな。
勉強も4年の分野まで完璧に理解し、2年の進級試験では上級魔法を放った天才だもんな。」
シンはニヤニヤと笑いながら俺を見てきた。
最初のコメントを投稿しよう!