~序章~

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しかし、『黎明の使者』の二人は『青い』空を見ることが出来ませんでした。 二人は、世界の破滅の元凶、空を『紅く』染めた『Demise(ディマイズ)』と呼ばれた者を命と引き換えに封印したからです。 『Demise』は復活するために人々の負の感情を集めました。 何十年、何百年も集められた負の感情、怒りや妬みなどは『Demise』の力となります。 そして、遂に封印を破れるほどの力を集めました。 ですが、『Demise』は封印を破ろうとはしません。 けれども、漏れ出した力は再び世界を侵していき、空を『紅く』染め始めました。 以前は、獣たちを狂わせるだけだった『Demise』の力――それが今度は人々まで狂わせていくではありませんか。 まだ狂わされていない人々は自らを護るためにそれぞれ集まり、街を築いていきます。 その街は人々の願いを込めて『Shangri-La』と名付けられました。 そして――100年後。 空は完全に『紅く』染まり、普通の人々が当時の半分にも満たなくなった時、再び救世主が現れました。
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