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「何笑ってんだぁ?気でも狂ったか?あぁ?」
リーダーと思われる男(以後リーダー)はニヤニヤと下品な笑いを浮かべ、鉄パイプを肩に乗せて少年の前に立った。
「………ダルいなぁ、五人か。」
少年は男たちに聞こえないほど小さく呟き、笑いを堪える。
「クククッ。狂っているのはあんたたちだろ?」
「あぁん!?もっかい言ってみろや!」
リーダーの後ろにいたスキンヘッドの男は睨みを効かせながら前へ出る。
「何度でも言ってやる。あんたたちは狂っていると。
さて、ダルいけど時間もないからさっさとやるか。」
少年は笑顔を崩さず、男たちを見据える。
丁度その時、雲の合間から月の光が射し込み、少年を照らした。
その月光は少年の金の瞳を強調するかのようだった。
「なっ!?お前は………っ!?」
リーダーの男は何かを言おうとしたが、鈍い音と共に意識を失い地面に伏した。
「良い夢を。
この狂いし世界に生きるものに一時の安らぎを………」
少年は呟き、闇に吸い込まれると錯覚をするほど静かにその場を後にした。
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