ブルーベリーの罠

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「で、えーっと…。なんで僕にそんな事聞くんですか?」 ごっくんと 口内の甘い(おおげさに言うならばー…ささやかな幸せと言う言葉に似つかわしいような、)ものを飲み込んでから、僕はリナリーに尋ねた。 「だって最近、2人ともお互いの事避けてるでしょ、?」 あいさつもろくにしないしこの間の任務の説明の時だって目も合わせやしないんだもの、見てればすぐに分かっちゃうわよ。 そう言うとリナリーは手元にあったグラスをくるりと回し、からんと氷の音を立てながら中に入っていた水を、ごくりと喉の奥に追いやった。 「………」 僕はその様子をなんとなく目で追い、なんだか少しだけぼーっとしてきた頭で(あぁ、なんと言い訳をしても無駄だろうな、)どうしたものかとぼんやり考えていた。 リナリーが氷だけ残ったグラスをテーブルの上に戻し、僕の方を見て再び笑った。
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