それは今にも消えそうで

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目の前がくらくらする。 ラビは徐々に開いて来た視界を必死にこじ開けながら、自分の横に座っている少年の方を向いた。    「あ、ラビ。起きましたか?」   喉の奥が気持ち悪い。汗ばんだ手を動かしてみると、柔らかい布の感触がした。どうやら自分が横たわっているのは自室のベッドの上のようだった。 「あれ、俺、」 何してたんだっけ? 壁に掛けてある時計(確か去年の誕生日にリナリーから貰ったものだった、)を見ると、夕方の5時30分ちょうどだった。 あれ?おかしいなぁとラビは思った。 最近は割と規則正しく生活していたので、こんなに遅くまで寝ている訳がないし(しかも身に着けているのは部屋着ではなく普通のTシャツ・上着にジーンズという姿だった、)昼寝をしていた記憶すらない。 !??? と、そこまで考えてラビは自分が眠る前の記憶を思い出せない事に気がついた。 おかしぃなぁ、オレ、記憶力良かったはずなのに、。 「、?」(まだ口内に違和感が残っていたので、ラビは顔をしかめたー。) 試しに昨日の夕食のメニューを思い出してみる。 えっと確か、ご飯が少し硬くなっていたので取りあえず冷蔵庫にある具でオムライスを焼いて、さすがにソレだけではお腹がすくのでタイミング良く残っていたサケでムニエル、じゃがいもを薄切りにして 細かく切ったキノコとパブリカと一緒に炒め、ホワイトソースで和えたもの、そして適当にバランスの良い野菜を見繕った新鮮なサラダー…を作った。アレンが苦手だと言うのでピーマン(パプリカとそう変わらないのに、どうしてピーマンは嫌いなんだろう、)は入れなかった。 ああ、昨日の記憶はしっかりと頭に記憶されているようだ、! ラビはなぜだか少しだけほっとした表情で、もう一度目少年に視線を移した。
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