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「そ、そんなHな事態、絶対に彼女のあたしが許しません!!」
「歯が、歯がぁー!!」
「じゃ、手続きお願いしたからね~」
彼女は言いたいことだけを簡単に言い残した。用を終え、理由も無いので、すぐに部屋を出るため装飾で重い扉の取っ手に手をかけた。
「ちょっと、ちょっとちょっと!!」
「鬱陶しいわね。で、何?
出来得る限り早くして」
必死で引き留めるジンが、冷たくあしらわれる。
「やばい、涙が……。いや、頑張れ自分。
手続きって、もしかして学園の!?」
「他に何が?」
「いや、無理無理。チハヤは俺やリクの1こ下っしょ?
まだ入学できる年齢じゃないの、知ってるよね?」
ジンの正論を受けても、彼女は文字通り微動だにしなかった。目が据わり、黒眼はひどく大きい。
決して揺らがない考えを持つ、ある種の猟奇的な雰囲気を感じさせた。
「ねえ、世の中に無いわよね?
無理な事なんて。
<塵>のトップなら、多少法律曲げるくらい余裕でしょ」
「いや、その」
「まっ、最終手段。マブ爺に頼めばどうとでもなりそうだし~」
チハヤの決意は固い。法すらねじ曲げる事を厭わない。
それ程、リクへの想いは強かった。
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