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「…なによ、やっぱり好きなんじゃない」
理由を答えようとしない俺を少しだけ待って、苦笑のような軽蔑のような笑いを含んで言う。
目の端に映ったマキの目がやけに光を反射して光っていた。
それでも俺は口を開こうとしなかった。
「…さよなら」
いつまでも何も言おうとしない俺にしびれをきらしてマキは低く小さくそれだけ言って、ヒールを木の床に叩きつけながら去っていった。
テーブルの上には冷めきったコーヒー2つと伝票。
最後のプレゼントだ。
マキとの関係は終わった。
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