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でもあいつの両親はそんなあいつを恥じて、無理矢理長かった髪の毛を切ったり、女の子の服を着たがるあいつに無理矢理似合わない男の子の服を着せたり、暴力も当たり前で、あいつの白い華奢な体には痣が絶えなかった。
大丈夫か、ときくといつも笑って大丈夫、と。
その姿を見るたびに抱きしめたくなったが、出しかけた手を握りしめては労いの言葉をかけた。
抱きしめたりなんかしたら、折角今まで我慢していたものが全て溢れてしまう。
折角今まで築き上げた友情が一瞬で崩れてしまう。
最悪、あいつは俺の前から消えてしまうのではないかとさえ思った。
とにかく怖かったんだ。
あいつを傷付けるのが。
あいつを失うのが。
自分が傷付くのが。
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