夢のあと

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カチャリ、と音がして顔を上げるとしんちゃんのお皿はすでに空だった。 しんちゃんはいつもぼくが作った料理を残さない。 だけど今日は二日酔いだから残すかと思ったのに。 ふと余裕綽々でオレンジジュースをゆっくり飲むしんちゃんと目が合った。 口元はグラスに隠れて見えなかったけど、目元で微笑んでるのがわかった。 急にどきどきして、まだトーストが4分の1とサラダが少し残る自分の皿に慌てて目を落とした。 先ほどよりももくもくと手と口を動かす。 ずっとしんちゃんの視線を感じた。
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