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「ここは“もしもの世界を体験できる”仮想現実研究所だ。
君は彼女に連れられここにやってきた」
「…なんで?」
「君は自殺願望があったからだよ。だから私は“もしも君が自殺したら”の世界を見せたんだ」
まだ頭がボーっとしている。
手首を見ると、生々しい傷がいくつもあった。
そうだった…
俺は…死にたかったんだ…
料理人になりたくて、厨房でバイトをしだしたが、全然うまく行かず…限界を感じた…
だけど、弱いところを見せたくなかった…
作り笑いで毎日を過ごしていて…
気付けばビルの屋上に…
「さ…体験はお終いだ
外で彼女が待ってるよ」
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