#2 それでも老婆は待っている

3/7
1119人が本棚に入れています
本棚に追加
/130ページ
お婆ちゃんはずっとお爺ちゃんを待っている。 いくら僕が死んだと言い聞かせても、お婆ちゃんは理解してくれない もう慣れたけど、 いい加減気付いてほしい… 正直言うと 僕はお婆ちゃんが怖かった。 いつまでも待ち続け、同じ質問をぶつけてくるお婆ちゃんが… 「敏郎ぉ… お爺さんはまだ帰ってこないのかのぉ?」 僕はその質問を無視して襖を勢いよく閉めた。 廊下に襖を閉めた音が響く 僕はその場に立ちすくみ 少し 胸が苦しくなったのを感じた。
/130ページ

最初のコメントを投稿しよう!