#2 それでも老婆は待っている

5/7
1119人が本棚に入れています
本棚に追加
/130ページ
「お爺さんはまだかのぉ?」 どうやらわかってくれなかったようだ… 僕は溜め息をつき、その場を去った。 それからもお婆ちゃんは同じ質問をぶつけてきた。 そして僕は同じ回答をする。 毎日その繰り返しだ しかしある日 お婆ちゃんの様子がいつもと違った。 部屋の横を通ると必ず僕を呼び止めていたのに この日、僕は呼び止められなかった。 やっと理解したのかな…? いつもと違う空気に何故か不安を覚え、僕は襖を少し開け、中を覗いて見た。 すると、僕の目の前に突然お婆ちゃんが現れ叫んだ 「お爺さんが帰ってくる!!」
/130ページ

最初のコメントを投稿しよう!