#2 それでも老婆は待っている

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お爺ちゃんが帰ってくる…? 僕は自分の部屋に戻ってからも、お婆ちゃんの言葉が頭の中を駆け回っていた。 そして、午後11時をまわった時、家のチャイムが鳴った。 こんな時間に誰だ…? 僕は部屋を出て、恐る恐る玄関に向かった。 父さんと母さんも起きて来た。 玄関扉の鍵を外し、扉を開けると… そこには何とお爺ちゃんがいた。 「お爺ちゃん…」 驚いている僕の横を通りすぎ、お爺ちゃんは真っ先に仏壇のある部屋へと向かい、襖を開け中に入った。 そして仏壇の前に座り、手を合わせ 「ただいま…」 …とお婆ちゃんの遺影に向かって言った。
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