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約一年前にお婆ちゃんが死んだ。
ショックをうけたお爺ちゃんは、僕たち家族に内緒で旅に出た。
捜索願いを出すが、結局見つからなかった。
不安だった…
だけど定期的に
お爺ちゃんは自分の元気な姿を写真に納め、送ってきてくれた。
それによって
僕たち家族は安心していたのだった。
お婆ちゃんが幽霊として現れたのは、お爺ちゃんが旅立って数ヵ月後だった。
きっとお婆ちゃんも心配だったのだろう…
だから成仏できず
いくら“お婆ちゃんは死んだ”と言い聞かせても
この部屋に…
僕はお爺ちゃんの横に座り、
一緒に手を合わせた。
遺影に写ったお婆ちゃんが
「おかえり」
と言って
笑っているように見えたのは秘密だ
[END]
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