#2 それでも老婆は待っている

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約一年前にお婆ちゃんが死んだ。 ショックをうけたお爺ちゃんは、僕たち家族に内緒で旅に出た。 捜索願いを出すが、結局見つからなかった。 不安だった… だけど定期的に お爺ちゃんは自分の元気な姿を写真に納め、送ってきてくれた。 それによって 僕たち家族は安心していたのだった。 お婆ちゃんが幽霊として現れたのは、お爺ちゃんが旅立って数ヵ月後だった。 きっとお婆ちゃんも心配だったのだろう… だから成仏できず いくら“お婆ちゃんは死んだ”と言い聞かせても この部屋に… 僕はお爺ちゃんの横に座り、 一緒に手を合わせた。 遺影に写ったお婆ちゃんが 「おかえり」 と言って 笑っているように見えたのは秘密だ [END]
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