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オレは勇者だ。 でも、オレの他にも勇者がいる。 オレの夢なのに…都合良く物語は進んでくれない………。 オレの夢なのに………。 そんな事思ってると、見覚えがある広場に出た。 周りの人々から「勇者さま、勇者さま」と、声援が聞こえ始める。 この世界でも勇者は人気者だ。 何度見ても、気持ちがいい。 自分が主役だから。 オレが注目されているから。 なのに………。 なぜかオレだけが他の勇者と違い、その声援の中…堂々と歩けず、足が震え……躓(つまづ)いた。 いつ見ても同じだ。 情けねぇ………。 そしてオレは…恥ずかしくなり、街の広場を一人淋しく、走り抜ける。 この広場から見える丘の先には、開かずの大きな門があり、門を抜けると敵の親玉がいるんだ。 勇者のオレが格好良く親玉を倒すに違いない!! でも…でも!!先には進めない。 前に見た夢もここで終わった。 そう…この夢の続きが見れない………。
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