当てつけ

2/2
前へ
/36ページ
次へ
私に電話をかけてくるのはほとんど聖だった。 聖だけは…やっぱり恋愛対象ではなかった。 服のセンスも悪いし、だらしない。 多分…昔はヤンキーだったのだろう… シンナーでもやったのか歯並びも悪かった。 顔も一重でかっこよくはない。 ただ遊ぶだけの日々が過ぎる。 私はある日… 思いきって悠生に話しをしてみた。 「私…聖より…悠生の方が好き…」 私のいきなりの告白に驚く悠生。 「嬉しいよ♪薫はかわいいし。けど…俺とは付き合わない方がいいよ…」 悠生に… あっけなくフラれてしまった。 「嬉しいけど…薫は傷つけたくない。」 悠生の言ってる事がわからなかった。 傷つけたくない… その意味がわからなかった。 私はただ、悠生が好き… それだけなのに… 数日後… 私は聖の彼女になった。 聖に何度も付き合って欲しいと言われてしまったのだ。 それに… 悠生にも、聖と付き合って欲しいと言われたのだ。 「聖は服のセンスないし、ガキだし。だから薫に変えて欲しい。年上の彼女の方が聖には合うからさ♪」 聖は悠生の親友だ。 私は… 悠生への気持ちを消すかのように… 結局は聖と付き合う事にしたのだ。 ある意味… 悠生への当てつけだったのかもしれない… こんな変な状況で、私は聖と付き合う事にした。
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

39人が本棚に入れています
本棚に追加