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「朱無姫! 貴方の事が好きです! 付き合って下さい!」
嗚呼、この子もか…
これで何度目だろうか。
女に間違えられるのは。
「そのサラサラの赤い髪、つぶらな瞳、たおやかな体、胸は残念だけど、低身長には合ってるからいいか……兎に角、貴方の事がずっと好きでした!」
多分、僕の顔は引きつっていると思う。
正直、今の言葉…最後は女性に向けたら殴られる気がする。というか殴っていいかな?
此処、教室。昼休み。人いっぱい。
僕の名前は朱無姫(アカナシヒメ)
朱無で区切って姫が名前。両親は女の子が生まれてくると思いこんで、つけたらしいけど……携帯片手に市役所にスタンバイしているってどうよ?
とまあ僕の紹介は置いといて、彼の言葉の大半は……残念な事に本当だ。
事実、髪は赤いし、風が吹けば倒れそうな体をしている。いや言い過ぎか?
でもまあ、まずはこの期待と不安が入り混じった瞳に真実を伝えよう……
「僕はお――――」
「姫は俺のだぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
「ひいっ!?」
「うわっ?! きみだれ!!!」
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