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「あの―――」
「「直ぐに片付けるから姫は少し待ってて!!」」
段々ヒートアップする口論に、意を決し声をかけてみる。
結果は瞬殺。僕が。
最早二文字しか喋らせてもらえなかった。
大丈夫、泣くなよ。泣かないで、朱無し姫。
君は悲劇のヒロインじゃなくて強い男の子だ。この位で、泣いちゃ……
「グスッ……大、丈、ぶ…っ」
ごめんなさい、無理です。僕の心は発泡スチロールの如く弱く、涙腺はとっても緩いんです。
だめだ。強い男の子になる日はとっても遠そうだよ、クオン(今家にいる犬の名前)
目尻に涙を浮かべた僕を見てか、クラスメートが口々に「王妃を呼べー! 姫が泣きそうだー!?」と焦り始める。
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