春の嵐

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大学内は今日も騒がしい。 あちらこちらから 楽しそうな笑い声が聞こえ 自分だけが 仲間外れのように感じる。 実際そうなのだが。 星南はそんな人達の間を 縫うように通り抜けた。 早く移動しなければ 次の授業に間に合わない。 急いで教室に入って 日当たりのいい 左端の後ろに座った。 教師にも生徒にも やる気のない授業が始まり 正直眠気がピークになるこの時間 腕をつねったりしながら 何とか意識を起こす努力を している星南の3つ前の席では 堂々と眠っている男子がいた。 陽の光が当たって 茶色に染められた髪が キラキラしている。
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