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何故だろう
何処かで会ったことがあるような
懐かしいような
そんな気持ちがする。
寝ているその後ろ姿だけなのに
何故だろう。
顔を見たら
もっとそんな気がするだろうか。
後ろからジッと眠っている彼に
視線を送ってみる。
起きてください
そして振り返って
顔を見せてください、と
けれど
そんな思いが届くはずもなく
彼が顔を上げることはなかった。
あまりに
熱心に見すぎていたために
黒板は文字で埋め尽くされていた
話を聞いていなかったから
もう暗号にしか見えない。
それでも必死で書き写していたが
日差しの心地よさに負けて
つい目を閉じてしまった。
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