春の嵐

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気付いた時には周りがザワザワと立ち上がっていて 前に座っていた彼もいなくなっていた。 星南はガッカリしながらも 筆記用具や教科書を集めて カバンにしまい、教室を後にした 「バイバイ、またね。」 と言うこともないままに大学を出て帰路につく。 目にかかりそうなまでに伸びた前髪に メガネをかけて俯いていれば "暗い子"のレッテルを貼られても仕方がない。 切り揃えることもなく肩より長く伸びた髪が 余計に重たさを演出していた。
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