薬の使い途

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同僚の木村からのメールに気付いたのは、打ち合わせを終えそのまま家への帰宅途中のことだった。     「当社への意見、質問欄をみてみろ」   とだけ書いてあった。   なんだろうか。きっと見ればわかるということだろうし、俺に関わることなのだろう。   一番に思い付くのは『ピュンキエル』だ。   家に着いた俺は、さっそく、家のパソコンから、会社に利用者から送られてくる意見、質問のページに繋いだ。   きっと、以前に『ピュンキエル』を買った客の1人が、薬への批判を書いたのだろう。薬への批判だけならまだしも、会社全体を批判されたのでは少し困ったことになる。 このページ事態を一般利用者が目にすることはないのだが、もし変な噂をたてられたら大変だ。 会社が紹介する商品全ての信用が落ちることになれば会社は大打撃を受ける。 しかも俺が三浦から安請け合いした薬のせいでだ     マウスを握るてに汗がにじみ、早く開けと苛立ちを感じてマウスを無駄に動かす。     ようやくページが開いた。     さぁ、相手は何と言ってきたのだ? と、画面を睨み付けた。               「えっ?・・・」     思わず間の抜けた声を溢していた       俺がそこで目にしたのは、全く予想とは違うものだった。
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