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「なるほど、俺達は先ず大きな勘違いをしていたらしいな。固定観念にかられて今までそこにたどり着けなかったとは、研究者失格だ」
三浦は、そう感想を述べた。
「どういう意味だ?」
「要するに、男に作用する薬の使い途は男が決めるものだとばかり考えていたが、実は、男に不利な薬を使うのは女だったってわけさ」
「それはそうだな、俺も男相手に売ることを考えていた。けど、そんなに上手くいけかな?そんな薬を真面目に飲むか?」
「じやぁ断れるか?断る理由は?」
三浦はニヤリと俺の顔を覗きこんだ。
「・・・そ、そうか、断れない」
「だろ?別に騙してのましたり、隠す必要ないのさ。立たない薬を飲めと言えばいいんだよ。断るってことは、浮気をするって言っているのと同じさ。断れる理由があるとしたら、その日、妻を抱くしかない。・・・売れるかもな」
三浦の目に中学生のころの輝きが戻った
「しかし、世の中に、旦那が浮気をしている家庭がそんなにあるのか?しかもそれを嫁が知っている家庭限定だぞ。狙う的が小さすぎないか?」
「実際に旦那が浮気をしているかどうかなんて関係ないさ、嫁のほうが、その不安を抱いていればいい。的は小さくない。」
「そうか、更に言えば不安がなくてもいいんだ、念のためなんて考え方もある」
「売れるぞ」
と、三浦はいった
「売れるな」
と、俺はこたえた
俺達はその日研究所で前祝いをした。
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