3年6ヶ月前

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「すいません監督、こんな居酒屋で」 「いえいいですよ、僕ら若いときはみんなもっと安い立飲み屋でしたよ」 「明日は今日観て頂いた予選通過作品10本から1本が選ばれますね」 話している内容を聞くと、大城監督と一緒にいる男性も関係者のようだった。 「監督からご覧になって、今年の大賞の作品はどれになりますか?」 -カシャ、ビチャ!!- シュウが興奮して思わずビールのグラスを倒してしまった。 その音に気付いた大城監督がこっちを見てきて、ケンタと一瞬目が合ったが、ケンタが会釈をすると大城監督の方から目を反らした。 (…兄ちゃん!!) (ゴ、ゴメン) しばらく間を置いて大城監督はゆっくりと答えた。 「…確か専門学生の清水シュウて子の作品が一番良かったですね。」
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