3年6ヶ月前

5/7
前へ
/30ページ
次へ
「――――。」 再びシュウとケンタの動きが止まった。 聞き間違えであってほしかった。 「恥ずかしながら親心てやつでして… これはほんの気持ち程度ですが」 そう言うと男性は、カバンの中から取り出した膨らんだ封筒を机の上に置いた。 中身は見なくても想像はついた。 「…まぁ考えときますよ」 そう言って大城監督が封筒を受け取ろうとしたその時、 - バン! ! - テーブルを激しく叩き付ける音が店内に響いた。 その音に驚き、大城監督とその連れは思わずシュウとケンタに目をやった。 「ケンタやめろ!!」 シュウが止めるより早く、ケンタは大城監督のテーブルの前で仁王立ちをした。 「な、なんだね君!?我々に何か用か!?」 「…何か用かじゃねえだろ!!」 そう言うとケンタは大城監督の連れの襟を掴み、一気に引き上げた。
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加