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-シュウの学生映画賞の受賞から2年が経った-
そしてシュウは期待の若手映画監督としての道を順調に歩みはじめていた。
「ねえケンタ、お兄さんの初監督の映画の記事、この雑誌にも載ってるよ!!
もう見た!?」
ベッドの上でマンガを読むケンタにエリはそう問いかけた。
しかし、ケンタの反応は弱いものだった。
「あーそうなんだ」
そう答えるケンタに、いや最近の無気力なケンタにエリは苛立ちを感じていた。
「ちょっとケンタ聞いてるの!?」
「ぅるせーな、別に兄貴の記事なんていくらでも出てるだろ、
インタビューの内容もどこも似たようなもんだし。」
「そうだけど…
昔のケンタならお兄さんが出てるならどの雑誌も読んでたし、先に私に自慢してたと思う」
「知らないよ。」
「…お兄さんだけが売れてきて悔しいの?」
そうエリが言った途端、ケンタは手に持っていたマンガをエリに投げつけた。
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