2年前

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「うるせーよ、兄貴は関係ねえよ」 そう言ってエリを睨みつけるケンタの眉間には、何本も縦にシワが入っており、 図星なことが一目で分かった。 「…関係なくないよ、ケンちゃん最近全然歌も作らないし…昼間だってパチンコに行ってるだけじゃん」 「…もういいって」 「何よ!お兄さんの映画の主題歌を歌うのが夢だったんじゃないの!? 一人で諦めて…」 「しつけぇんだよ!!」 そう怒鳴るとエリはそれ以上喋らなくなった、そして決意したかのように荷物を持って玄関に向かっていった。 「帰る」 そう言うエリの頬には涙が幾つも溢れている。 「…」 ケンタは何も言えず、ただ玄関のドアが静かに閉まるのを聞くしか出来なかった。 -ケンタは一ヶ月前の事を思いだしていた-
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