3年6ヶ月前

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「え?」 急にシュウの表情が変わったことに驚き、思わずケンタは聞き返した。 シュウはケンタの耳元に口を近づけ、そっと囁いた (いま入って来た客、映画監督の大城監督なんだ) ケンタもシュウ程ではないが、日本映画はよく見るので名前と顔はすぐに一致した。 (ウソマジで!?) そう言ってると、大城監督とその連れの50歳くらいの男性はシュウの真後ろ、ケンタの真っ正面の席に座った。 (チャンスじゃん!声掛けようよ!!) そう言って身を乗り出すケンタをシュウは力ずくで抑えた。 (違う、ダメなんだ、明日の学生映画祭の審査員が大城監督なんだよ、 たぶんそこの劇場で発表されるからここに来てるんだと思う) (あ、そうなんだ…) そう聞かされて一旦は座らされたケンタだったが、ソワソワと落ち着かなかった。 そしてそれはシュウも同じで、後ろの席で何を話しているか、気になって仕方がなかった。
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