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――ピピピピピピピピ
朝。
いつものように規則的な機械音が俺の耳に届く。
慣れとは凄いもので、まだ1週間ちょっとしか経っていないのにも関わらず、まるで今までそうだったように自然と体が動く。
いつも通りに目覚ましを止め、
いつも通りに起き、
いつも通りに朝食を作り、
そしていつも通りにアイツらが来る。
ピンポーン
俺は玄関までアイツらを迎えに行き、ソファーに座らせる。
何度も言うがこれはもう毎日の日課だ。
だからすでに制服に着替えている。
今日もいつも通りの生活が始まるのか……そう思っていた。あの龍牙の一言を聞くまでわ。
「今日は初授業だな」
忘れてた……
授業=魔法のこと
龍牙達は中学でやったから大丈夫だが、俺は初めて魔法の授業を受ける。
今更ながら緊張してきた。
「どうした?まさか緊張してんのか?」
何故わかったのかはわからないが、龍牙が面白そうに尋ねる。
「何楽しそうな顔してんだよ」
「だってさ、お前は一年生全員の前には立てたのに、授業なんかで緊張してんだもん」
言われてみれば確かにそうだ。
でもそれは中学の頃に数回経験したことがある。だけど魔法の授業は受けたことがない。
今回は話が別だ。
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