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「仕方ないだろ。魔法の授業なんて初めてなんだから」
「その緊張もいつまで持つかね」
言ってる意味がわからん。
「どういう事だ?」
「時間割。見てないのか?」
時間割?そんな物貰ったっけ?
「あ、その顔は見てないな。生徒手帳に書いてあるだろ?」
……生徒手帳?そんな物貰ったっけ?
「え?マジか?」
俺の思考を読んだであろう龍牙が尋ねてきた。
俺は頷くことしかできない……
「ハハッ。ドンマイだね」
翔は苦笑しながらも同情してくれた。
その時俺の頭の上に何かが落ちてきた。
え?この流れはもしや……
地面に落ちたそれを見ると手帳のような形。
表面には明らかに俺の名前。
そしてこの学園のであろう校章。
間違いない。生徒手帳だ!
俺が手帳を拾い上げると、二枚の紙が挟まっていた。
その一枚を読んでみる。
―――――――――――
光輝君へ
恐らく生徒手帳を探していたんでしょう。
でも残念。持っていたのは私でした。
何で渡さなかったのかって?別に忘れてたわけじゃないですよ。たぶん光輝君は時間割を見ると嫌がるだろうと思ったからあえて渡しませんでした。
わざわざ【ゲート】を使って届けてあげたんですから感謝してくださいね。
真衣
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