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「χ=12……です」
「正解よ。ありがとう」
ふぅ……助かった。
「ありがとな」
お礼を言った時、如月の首がわずかに縦に動いた気がした。
それより何で如月には答えがわかったんだ?
もしかして何もしてないように見えてしっかり聞いてるんじゃ。
そういえば初めて会った時も無表情だったな……
今は昔と全然違うし。
龍牙達の話を聞く限り、誰とも話さないようなイメージがあったんだけどな。
でも俺達以外のヤツと話してるのは見たことないし、間違ってはないだろう。
なら何で俺は話せるんだ?
なるほど、龍牙達が驚くのもわかる。
如月の考えはわからないし、謎だな……
その時授業の終わりを告げるチャイムが鳴った。
「あら、もう終わりなの……じゃあ次回の予習でもしておいてね」
先生はそう言って出ていった。
こうして俺の初授業は集中できないまま終わった。
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