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「あの~、修司さん。頼みたいことがあるんですけど……」
「どうしたんだい?」
修司さんは機嫌がいいのか、とても笑顔だ……。
「ちょっと上級魔法を使ってみたいんですけど、いいですか?」
途端に修司さんから笑顔が消えた。
俺の本能……第六感と言ってもいい。それがヤバいと告げている。
何だか地雷を踏んだようだし、一刻も早く逃げたいが足が動かない。
周りにいたクラスメート達も危険を察知したのか、修司さんから離れている。
その中に龍牙の姿もあったが、俺が助けを求めると目を逸らされてしまった。
どうやら友達だと思っていたのは俺だけだったようだ……!
後で殺す……。
なんて思っていると、修司さんが肩に手を置き耳元で囁いてきた。
「光輝君は特別だから今はやめてくれ!!放課後に俺も付き合うからその時練習しよう」
それだけ言うと再び笑顔に戻り、
「光輝君は詠唱破棄の練習があるだろ?先にそっちを頑張れ」
と言って別のグループの所へ行ってしまった。
修司さんが去ると、離れていた奴らは安心したように練習を再開し始めた。
「おい光輝。さっき何て言われたんだ?」
「あぁ、二宮君。君には関係ないことだよ。友達を見捨てる君にはね……」
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