初授業と特訓と……

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「おぅ、龍牙!」 俺は片手を挙げながら爽やかに挨拶する。 「『おぅ、龍牙!』じゃねぇ!助けてくれなんて大袈裟な事言いやがって。で、どうしたんだ?」 龍牙は言葉とは裏腹に、なんだか嬉しそうだ。 何故嬉しそうなのか疑問を抱いたが、特に気にしなかった。 「今詠唱破棄の練習をしてるんだけど、全然出来ないんだよ。何かコツとかないのか?」 俺の問いに、龍牙は顎に手を当てて考え始めた。 「コツねぇ……俺は魔法の構築の余分なところを削る感じでやってるけど……わりぃ、口じゃ説明できねぇわ」 「いや、わかったよ龍牙!サンキュー」 構築の余分なところを削る……か。 何となくわかった気がする。 魔方陣の簡略化、詠唱の短縮。 これで……! 「光よ、燃やし尽くせ……【光焼波】!!」 瞬間、俺の手からは懐かしい光が……。 壁の焦げ具合から威力が落ちてるのがわかる。 「出来たじゃねぇか。まぁ、最後には魔法名だけで出せるようにしないとな」 「マジでありがとう、龍牙!晩飯奢るよ」 「マジか!?じゃあ今から行こうぜ。もう7時だからな」 時計を見ると確かに7時を指していた。 集中すると時間を忘れる癖、直さないとな。  
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