日常

3/18

12223人が本棚に入れています
本棚に追加
/309ページ
「で、コツは?」 「ん~……ない!」 再度問いかけた如月に、龍牙は楽しげに答えた。 奇妙な沈黙が俺達を包み込む。 って、俺関係ないよな。 できればこのカオスな状況から抜け出したいんだけど……。 やがて、如月が歯軋りをこらえて言った。 「……コツは?」 「だからないって。 実力だよ、実力。 または才能、努力。 だいたい楽して使えるようになろうって考えが甘いんだよ。あそこの三人を見てみろ。黙々と練習してるだろ? お前はそんなだから中級魔法の詠唱破棄にも時間かかったんだよ」 言いきった龍牙は気付いていないだろう……。 背後で邪悪なオーラを放っている鬼……いや、悪魔……これも違う。 魔王。そう、魔王に。 「……ねぇ、神城」 え?俺!?俺にふるなよ!! 「……どうした?」 とは思いつつも返事をしてしまう自分が情けない。 そんな俺の心情を無視して、如月は口を開く。 「このバカを二度と喋れないようにボコっていいわよね? いっそのこと、この世から消してやろうかしら。 そうよ、それがいいわ。地球の為にもこのクズは消すべきなのよ!」 言いきった後、息を荒くして俺を見る。 これ賛成しなきゃ俺が死ぬ雰囲気!? そう思った俺は、自然と口が開いていた。  
/309ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12223人が本棚に入れています
本棚に追加