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「それ本気で言ってんの……?
まずは落ち着きましょ。話せばわかるわよ」
「俺は十分落ち着いてるさ。
それに、さっき話す時間もくれなかったのは誰だっけな~?」
俺の攻めに、如月は言い返せずうめいている。
ったく、素直に謝れば許してやるのに。
でもコイツはプライド高そうだからな……。
「あ、あれは私が悪かったわよ…………ン……」
「何だって?」
「ゴメンって言ったのよ!!
何回も言わせないで!!!」
そのまま顔を背けてしまったが、頬が少し赤いのは見間違いじゃないだろう。
謝るのが恥ずかしいなんて、やっぱりプライド高いな。
俺は苦笑しながら如月に手を差し出した。
「この手は何よ……!?」
どうやら俺の意図は伝わらないようで、仕方なく言葉に出してやった。
「早く立てよ。いつまで尻餅ついてる気だ?」
「う、うるさいわね!今立つわよ!」
如月は乱暴に俺の手を握ってきたが、その手は行動と違ってとても温かかった。
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