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「早く引っ張ってよ!」
「え?あ、あぁ、悪い……」
そんなことを考えていたら、今の状況を忘れていた。
慌てて返事をし、如月を立たせてやった。
如月はスカートを叩いて土を払う。
「さて、これからどうしよう。
アンタは的になってくれないし……」
まだ言うか!
俺は鋭く如月を睨み付けた。
「冗談よ、冗談。
やっぱりバカを起こすしかないわね」
自然と俺達の視線は龍牙に向く。
でもアイツ起きないしな……。
そうだっ!!!
「如月!俺にいい考えがある」
俺はニヤリと笑い、如月に話をもちかける。
「いい考え?」
「そうだ。多分コレでアイツは起きるはずだ。
ただリスクがある。今から言うことを誓えるか?」
「聞かなきゃわからないわよ。
って言いたいとこだけど、この際仕方ないわね。誓うわ」
よしっ!!これで俺の安全は確保された。
後は……。
「じゃあ言うぞ。
絶対に怒るな!
わかったな?」
「は?それって私に関係――」
如月が何か言う前に、俺は素早く龍牙に近付き口を開いた。
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