日常

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         * 寒い……。 針を刺すような痛みで、俺はゆっくりと瞼を開いた。 それでも晴れることのない暗闇。 自分の姿も見えない程の暗さのせいで、だんだんと不安が襲ってきた。 「【光球】」 俺の手のひらに浮かぶ光の球。 それにより、俺の周りだけ月に照らされたように明るくなった。 どうやらここは訓練所のようだ。 俺は携帯を取り出し、時間を確認する。 「11時……」 つまり俺は、あの後そのまま放置されたことになる。 おそらく翔達も魔王には逆らえなかったんだろう。 「は、っくしっ……!」 それにしても寒い。 今は4月。暖かくなってきたとは言え、まだ少し寒い時期だ。 それに加え、夜の11時に制服だけで放置とは。 鬼だな……。ここまですることないだろうに。 「っくしゅっ!」 再び勢いよくくしゃみが出る。早く帰ろう。 俺は立ち上がり、砂を払って立ち去ろうとした。 その時、誰かのうめくような声が耳に届いた。  
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