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待てよ……
俺が意識を失う前に魔王にやられたのは誰だ?
そう、龍牙だ。
いくら酷いことをしたとはいえ、龍牙が俺を見捨てることはないだろう。
つまりアイツはまだ目を覚ましていないということだ。
結論から言うとこの呻き声は……
「龍牙?」
しか思い浮かばない。
しかし返事が返ってくる様子はなく、仕方ないので声が聞こえた方に近寄ってみた。
すると案の定、そこにはうつ伏せに倒れている龍牙の姿が。
「うぅ……皐月、俺が悪かったから……それだけは……」
可哀想に……
夢にまで如月が出てるのか。
寝言の内容を想像するに、いい夢ではないことは確かだろう。
「はぁ……」
俺は一度ため息を漏らし、この哀れな友人を助けてやることにした。
「ほら、起きろ龍牙!」
まずは軽く肩を揺すってみるが、起きる気配はない。
ならばっ!
「あっ、如月……」
「ひぃっ!ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ――」
……これは重症だな。
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