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「ゴホッゴホッ……だりぃ……」
「風邪みたいだね」
ベッドに寝ている俺の横で、翔が体温計を眺めながら言い放った。
そう、俺は風邪をひいたんだ。
如月のせいでな!
「少し熱もあるし、今日は休みなよ」
「あぁ、そうする」
原因はどう考えても昨日のことしか思い付かない。
後で如月に文句を言ってやろう。
そんなことを考えていると、翔がため息を漏らすのが見えた。
「どうしたんだ?」
「実は龍牙も風邪ひいたんだよ」
マジか?まぁ確かに、俺より長いこと寝てたからな。
当然といえば当然か。
「だから今日は僕1人じゃん?つまらないなぁと思って」
そしてまたため息をひとつ。
物凄い罪悪感が俺を襲う。
でも俺は悪くないよな?
悪いのは如月だ。
これで少しは反省してくれればいいんだが……
「じゃあ僕は学園に行ってくるよ」
「わりぃな。できれば今日中に治すから」
そして出ていった翔に鍵を閉めてもらい、部屋は時計の進む音しか聞こえなくなった。
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