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「ふぅ……」
「あっ、上がってきた」
「お見舞いに来たぞ」
風呂から上がった俺を待っていたのは、お見舞いに来てくれたらしい翔と彩華だった。
学園が終わってからそのまま来たのか、服装は制服だ。
「唯は龍牙を看てから来るってさ」
翔は先読みしたかのように宮世の行方を教えてくれた。
だけど彼女には悪いが、俺が知りたいのは宮世の行方じゃない。
「如月はどこに行った?」
そう、俺達をこんな状態にしたのはアイツだ。
なのに当の本人がいないのはおかしいだろ。
「そ、その……皐月はだな……」
俺の不機嫌オーラが伝わったのか、彩華は視線を泳がせながら言葉を濁す。
そんな彼女を見かねた翔は、フォローするように口を開いた。
「ゴメン。逃げられたよ……」
「如月、テメェ!!」
思わず隣の部屋に向かって叫んでしまったがわかってほしい。
この反応は当たり前だということを。
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