12223人が本棚に入れています
本棚に追加
/309ページ
*
その後は何事もなく食事が終わり、みんなは自分の部屋に戻っていった。
「お~い光輝、まだ洗い終わらないのか~?」
ただ1人を除いて……
「だったらお前も皿洗い手伝ってくれ。ってか何で帰ってねぇんだよ」
作ってもらって後片付けまでしてもらうのはさすがにと思い、自分ですることに決めた俺だが……正直龍牙が邪魔だ。
手伝わないなら帰ってほしい。
「だってよ~、部屋に戻っても暇じゃん?」
さも当然のような顔をしてそう言い張る龍牙。
コイツ……自分が病人だって自覚してないのか?
「お前も話聞いてただろ?明日は絶対休むわけにはいかないんだからもう寝とけ」
「うわっ、冷たっ!」
濡れた手で龍牙の背中を押し、絶対風邪を治せと念を押して部屋から追い出した。
「さて、俺も早く寝るか」
――ピンポーン
残った洗い物を片付けようと扉に背を向けた瞬間、部屋にインターホンが鳴り響く。
「龍牙、お前いい加減に――」
扉を開けた俺はそこで言葉を止めてしまった。
何故なら扉の前にいたのは龍牙じゃなく……
「な、何よ?」
如月だったからだ。
最初のコメントを投稿しよう!