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「いよいよね」
教室の一端で放たれた宮世の言葉に、俺達はゴクリと唾を呑む。
「今日は1日中魔法の授業だから時間はあるわ。
でもこのチャンスを逃すと厳しいでしょうね……」
つまり要約すると、時間が長いぶん他のヤツらにもチャンスがあるわけで、今日集められなければ残りの人数は一気に減るってことだ。
「いい?とりあえず手当たり次第に声をかけまくるのよ!」
「わかった」
「よっしゃ」
「任せて!」
「うむ」
「わかったわ」
ちょうどその時、朝のHRを知らせるチャイムが鳴り響く。
それと同時に、鐘が鳴るのを待っていたであろう修司さんが入ってきた。
騒がしかった教室もだんだん静かになり、全員が席に着いたのを見計らって修司さんは口を開いた。
「みんなおはよう。昨日休んだ2人以外は知ってるだろうけど、今日はA組と合同で授業を行う。
魔法大会のメンバーに誘ったり、仲良くなったりするチャンスだ。有効に過ごしてくれよ。
それじゃあ、第1訓練所に移動して」
修司さんはそれだけ伝えると、足早に教室から出ていった。
たぶん、授業の準備でもするんだろう。
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