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第1訓練所にて、俺達は腰に手をあてている宮世の目の前で正座していた。
否、させられていた。
「で?遅くなった理由は光輝君のせいなのね?」
『その通りです……』
揃って幼なじみパワーを発揮する龍牙達。
それにより、1つだけコイツらの性格を思い出した。
仲間を見捨てることだ!
「ねぇ光輝君?私は早く来なさいって言ったわよね?」
そうか?早く行くとは言ってたけど……
「いや、言ってないんじゃ――」
「言ったわよね?」
「は、はい」
俺ってホントにみんなのことを知らない。
宮世はおとなしくて、しっかりしているお姉さん系?
ないない。
だって如月より怖いんだから……
たぶん龍牙達の中で権力が強いのは宮世だ。
「じゃあ光輝君は罰として皐月達の倍働いてもらおうかな」
そう言って妖しく微笑む宮世。
だ、大魔王だ……天使のような眩しい笑顔を浮かべている大魔王が降臨した……
「もし皐月達に負けたら……フフフッ」
首筋を冷たい汗が伝う。
な、何故だろう。
冷や汗が止まらないんだが。
「そんなところでボケ~っとしてていいの?時間はどんどん過ぎてるわよ?」
俺は慌てて立ち上がり、人の多いところに向かって走り出した。
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